鹿の角きり

世界遺産
世界遺産奈良

鹿の角きりの歴史

「鹿の角きり」は発情期をむかえた雄鹿の角により町民が危害を受けたり、鹿がお互いに突き合って死傷することを防ぐため、江戸時代初期の1672年当時の鹿の管理者であった興福寺が奈良町奉行の要請を受けて始められたと伝えられています。

当時の角きりは、町の所々で行われ、店先や人家の講師の中、屋根の上などから見物していたそうです。
明治時代の中頃には、春日大社の参道の所々で角きりが行われていました。
1929年(昭和4年)から現在の角きり場を設け現在の姿となりました。


3日間しか行われないこともあって大変賑わっていました。
競技場スタイルで約700名入場できるそうですが、満員でした。

角きり行事とは

勢子たちが「赤旗」を持ち、角きり場に立派な角鹿を追い込みます。
「十字」を持った勢子が鹿の角に縄をかけます。

縄がかかりました。
鹿が暴れてダイナミックでした。

一度の3頭ずつ放たれます。
切られるのが嫌なのか逃げ回り、抵抗します。
脚力があるので勢子たちも気が抜けません。

ジリジリ引っ張って柱に近寄せます。

鹿の角に縄をかけた勢子が最後角に手をかけます。

そこからは数人で鹿を押さえつけます。

ゴザの上に寝かされ、興奮した鹿の口に神官役が水差しで水を含ませ気を鎮めた後、ノコギリで角を切り落とします。
鹿は神様の使いの「神鹿」とされてきたことから神官役が角を切り、神前に供えます。
神官役は一日で約15頭の角を切落とすので体力がいるそうです。
また、ノコギリの刃こぼれがあるので最後の方は大変だそうです。

まだ切り落としていない鹿を寄せないように赤い幕を張ります。

最後は鹿を放ちますが、暴れたりするので注意が必要です。
ぴょんと跳ねて退場していきました。

切り落とした角はこのようにして上に運ばれます。

全速力で逃げ回ります。
鹿は普段全力疾走しないので、これだけ走ると興奮し疲れるそうです。

鹿が飛びかかって勢子さんが跳ね飛ばされました。
鹿が正面にくると危ないそうです。

それにしても割と簡単に角にロープをかけることができて、すごいなぁと思いました。
ロープをかけることができても鹿が暴れて外れてしまうこともあるので、攻防戦です。

競技場の右、左、中央で切り落としをしてくれるのでどこにいてもよく見えます。

ツノを切り落とされてしまった雄鹿です。
心なしか元気がないような。。。
雄鹿のシンボルですから切り落としたらモテなくなるんじゃないかと心配です。
奈良公園内では雄鹿が「キュー」と所々で啼いていました。
割と甲高く、遠くまで通る啼き声です。

明治・昭和の戦乱期の一時中断をのぞき、現在まで継承されている古都奈良ならではの勇壮な伝統行事です。

鹿の角は最初のうちは血管が通っていて傷つくと血が出るそうで、その頃の鹿は角を傷つけないように慎重に行動します。
そのうち角は白くなり、角を切られても痛くないそうです。
鹿の角は切らなくても春に自然に落ちて、一年で大きく立派に育つそうです。
成長が早いですね。

奈良公園の鹿は1200頭くらいで、そのうち雌が700頭、雄が250頭、子供やまだ性別のわからない鹿が300頭です。
そのうち毎年角を切落とす雄鹿は50頭だそうです。
雄鹿が圧倒的に少なく、ハーレム状態で多数のメスとともに過ごします。

一般財団法人奈良の鹿愛護会とは?

鹿に関するありとあらゆる仕事をされています。

1.「奈良のシカ」の保護育成

・生息地内の巡回パトロール
・負傷。疾病鹿の救助・救出
・通報による保護出動
・人身事故防止の為の妊娠鹿保護収容
・人身事故防止の為の雄鹿の除角作業

2.保護事業のための調査研究
・頭数調査
・身体測定と個体識別
・行動圏調査
・死亡鹿解剖による死亡原因の特定
・大学、その他研究機関頭の研究調査への協力

3.保護思想の普及及び啓蒙
・鹿の生息について理解を深めるための愛護啓蒙を強化する
・子鹿公開 赤ちゃんしか大集合!
・国の天然記念物「奈良のシカ」保護啓発ポスターコンクール実施

4.生息環境保全のための活動及び環境教育
・食害細作
・生息環境保全の実施
・交通事故対策

5.環境教育
・研修。職場体験学習の受け入れ
・修学旅行生等を対象としたフィールドワーク、環境プログラムの提供

6.伝統行事の継承
・鹿の角きり
・鹿寄せ

7.施設・設備の整備
・鹿苑内の定期的な清掃及び表土の入れ替え
・鹿苑施設の補修

鹿苑 角きり場

〒630-8212
奈良市春日野町160番地
(春日大社境内)
TEL:0742-22-2388

カメラ:SONYa6000
レンズ:Vrio-TessarT*E 16-70m F4 ZA OSS

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