南都七大寺栄華をめぐる

世界遺産
世界遺産奈良

栄華を誇る南都七大寺

南都七大寺とは奈良時代に平城京(南都・奈良)及びその周辺に存在して朝廷の保護を受けた7つの大寺を指します。

興福寺(奈良市登大路町)
東大寺(奈良市雑司町)
西大寺(奈良市西大芝町)
薬師寺(奈良市西大寺芝町)
元興寺(奈良市中院町・新芝屋町)
大安寺(奈良市大安寺)
法隆寺(生駒郡斑鳩町)

また法隆寺は斑鳩にあるので、法隆寺の代わりに唐招提寺を加えるという説もあります。
また西大寺の代わりに川原寺(現在の弘福寺)を加えるという説もあります。

879年の清和上皇の大和国の名山巡礼をきっかけに、貴族を中心に南都七大寺への巡拝が流行しました。
藤原貴族と関係の深い法華寺、唐招提寺などが巡拝の対象になりました。
南都七大寺は、経営を維持するために制度を固めました。
これらの寺院をベースに発達した南都六宗は、律令体制のもと、国家の庇護を受け学僧が仏教の研究を行う学派的な要素の強いものでした。
それは平安時代以降の民衆へ向けて説き、信仰や教化を一般に広めるというものとは違うものでした。

南都6宗とは、三論宗、成実宗、法相宗、倶舎宗、華厳宗、律宗のことを指します。

1.興福寺

興福寺は立派な伽藍が数多く残っています。
五重塔(730年に建立→1426年、室町時代再建)
東金堂(726年に建立→1415年、室町時代再建)
南円堂(813年建立→1789年、江戸時代年再建)
北円堂(721年建立→1210年、鎌倉時代再建)
三重塔(1143年→1180年被災、間も無く再建)
これ以外にも本坊、仮講堂、国宝館、中門後などたくさんの伽藍が残され、奈良時代の栄華を感じことができます。

2.東大寺

大仏殿(752年建立→1709年、江戸時代年再建)
南大門(752年から790年ごろ建立→1199年、鎌倉時代に再建)
中門(752年から790年ごろ建立→1716年ごろ、江戸時代再建)
法華堂・三月堂(正堂は740年創建、南側の礼堂は1199年鎌倉時代に付け加えられた)
二月堂(752年から790年ごろ建立→1679年江戸時代再建)
戒壇堂(752年から790年ごろ建立→1733年江戸時代再建)

東大寺も数多くの伽藍が残っています。
当時は兵火による消失が多く、鎌倉時代、江戸時代に再建されています。

3.西大寺

西大寺は東大寺に次ぐ大寺として奈良時代に栄えました。
本堂は765年(奈良時代)に孝謙上皇が称徳天皇になった時に天王寺を建立されたのが始まりです。
当時は48ヘクタールの境内に金堂、東西両塔と百十もの堂舎が甍を連ねた壮大な大伽藍だったそうです。
平安時代中期以降はかつての栄華も見る影もなく寂れましたが、鎌倉時代に入り再建されました。

4.薬師寺

薬師寺は697年(飛鳥時代)に飛鳥の地に完成しました。
平城遷都に伴い718年に現在の地に移されました。
東塔以外の建物が全て近代の再建ですが東塔は唯一奈良時代からのものです。
東塔は現在修復作業中です。

5.元興寺

元興寺は596年に飛鳥の地に完成しました。
平城遷都と共に718年に現在地に移されました。
五重小塔は奈良時代最盛期唯一の五重小塔として知られています。
また飛鳥にあった時の瓦も使われています。

6.大安寺

大安寺は今は静かな古刹ですが、東大寺、興福寺と並んで壮大だったと言われています。
東西2つの七重塔が立っていて南大寺とも呼ばれていました。
伽藍は近世に再建されていますが、奈良時代の仏像9体が残されています。
また周辺には古墳や塔跡が残っていて栄華が偲ばれます。

7.法隆寺

世界最古の木造建築がたくさん残り、飛鳥時代の姿を現代に伝える大寺です。
五重塔(607飛鳥時代のもの)
金堂(607年飛鳥時代のもの)
中門(607年奈良時代のもの)
大講堂(925年建立→990年平安時代再建)
夢殿(奈良時代)
東大門(奈良時代)
西円堂(鎌倉時代再建)

おまけ

8.唐招提寺

法隆寺の代わりに加えるともされている唐招提寺。
場所は奈良中心地に近く、こちらを加える方がいいような気がします。

唐招提寺金堂は759年に創建されました。
南都の他の寺社に比べて大きな災害にあわなかったため奈良時代の貴重な伽藍が当時の姿のまま残っています。


南都にこうして大きい寺院が残っていることはすごいことだと思います。
これ以外にも小さいお寺にも奈良時代のものがたくさん残っています。
これからも長く残って欲しいですね。

カメラ:SONYa6000
レンズ:Vrio-TessarT*E 16-70m F4 ZA OSS

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