業平ゆかりの不退寺
不退寺は809年(平安時代)在原業平が建立しました。
正式には「不退転法輪寺」と言います。
寺というよりは平安期の貴族住宅を忍ばせるたたずまいで王朝風の優美さにあふれています。
平安遷都ののち平城京を懐かしむ平城天皇は上皇として都を再び平城京に戻すことを画策しましたが成功せず、都を逃れてこの地に萱御所を営みました。
萱(かや)ぶきだったのでこのように言われました。
都がうつっても奈良を愛し続けたんですね。
上皇が亡くなった後、在原業平が後を継いで寺にしたのが始まりと言われています。
別名「業平寺」とも呼ばれています。
南大門
1317年鎌倉時代末期のもの。
桃山時代の先駆と言われています。
装飾が多いのが特徴です。
小道の突き当たりにお寺があります。
本堂
南北朝時代から室町時代の建立
大仏様式の最後の形を保っています。
堂内にある本尊木造聖観音立像は業平の作と伝えられています。
藤原時代の彩色の像でリボンがあしらわれた優美な像です。
緑が深く美しい庭園です。
睡蓮
睡蓮は土を毎年入れ替えないと花が咲かないそうです。
本堂
業平格子と呼ぶ繊細な格子が特徴です。
石棺
5世紀のもので、裏庭にあります。
長さは2.7m。
近くのうわなべ古墳から発掘されたものと言われています。
草刈りの人たちがこれで釜を研いだと思われるあとがたくさん残っています。
珍しい水色の睡蓮
多宝塔
鎌倉時代のもの
元は二層の多宝塔でしたが、初層のみが残存しています。
江戸時代末期か明治時代初期に取払われたとのことです。
緑の中に立つ姿はとても優美で幻想的です。
毎年5月28日の業平忌に特別開扉されます。
色々な花が咲いていました。
レンギョウ、カキツバタ、椿、萩、睡蓮、紅葉、美男葛(びなんかずら)など四季の花が咲き乱れます。
美男葛とはその枝皮の粘りを髪につけて身だしなみを整えたことからそのように言われています。
本当の名前は実蔓(さねかずら)といい、10月ごろに艶やかな赤い実をつけます。
レンギョウの見頃は3月下旬、紅葉は11月下旬から12月上旬です。
ことにレンギョウの美しさが名高いそうです。
新芽が鮮やかです。
トンネルの奥に立つ緑豊かなお寺です。
住宅街と田園の中に静かに佇む姿に歴史を感じます。
南大門
不退寺
「金龍山 不退治法輪寺」
アクセス
〒630-8113
奈良県奈良市法蓮町517
TEL:0742-22-5278(FAXも同じ)
バス
JR奈良駅、または近鉄奈良駅より奈良交通バス「自衛隊行き」「西大寺行き」
一条高校前不退寺口下車
北へ徒歩約5分(4km)
徒歩
近鉄新大宮駅より北へ徒歩5分(1km)
車
京奈和自動車場「木津I.C」から国道24号線を南進して約10分(3km)
第二阪奈有料道路「宝来I.C」から阪奈道路を東進、国道24号線を北進して約15分(5km)
西名阪自動車道「郡山I.C」から国道24号線を北進して約20分(10km)
駐車場
門前駐車場
乗用車8台
駐車場無料
カメラ:SONYa6000
レンズ:Vrio-TessarT*E 16-70m F4 ZA OSS
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