欅平パノラマ新周遊ルート
欅平は黒部渓谷トロッコ電車に乗って終点駅です。
この欅平からさらに一般客は立ち入ることのできない関西電力工事用区域内を行くツアーに参加してきました。
黒部の電源開発のために作られた堅坑エレベーターを利用し、北アルプスの山々、後立山連峰や毛勝三山を一望できる欅平上部にあるパノラマ展望台を目指すツアーです。
登りきったところはこじんまりしたスペースでツアーの50名ほどが登るといっぱいいぱいいですが、景色はこの通り最高です。
まずはトロッコ電車宇奈月駅から出発です。
欅平までは1時間20分。北アルプスの間に刻まれた日本有数のV字渓谷をトロッコ電車で行きます。
自然豊かで素晴らしい景色です。
欅平駅に到着。右下の建物が黒部第3発電所です。
有名な黒部ダムは黒部第4ダムといい、一番山の高いところにありますが、発電で使った水をさらに下のダムでも使って無駄のないようにするように設計されています。
欅平駅を降りて、一般の人が入れないエリアに入って行きます。
こちらは関西電力専用軌道を走るED凸型機関車。
幅は狭く3名が座ったらいっぱいになるくらいの小さな電車です。
なぜ小さいかというと、小さいと線路を引く工事も終わるからだそうです。
とても可愛い電車です。これで5分。
下車すると次は堅坑エレベーターに乗ります。これはなんと200mの高さがあり、標高600m地点から800mまで1分程度で登ることが出来ます。
これは仙谷谷ダム建設のために作られた輸送ルートで、このエレベーター付近の河川勾配がとても急であったために欅平から河川沿いに鉄道を伸ばすことが出来なかったので作られました。人と工事用資材を輸送するためのものです。
中はこの通り普通のエレベーターですが、いたるところに工夫がされてます。
例えばこの穴。足をかけて上に上がることが出来ます。
トラブルがあってエレベーターが止まってしまった時に外に出れるようになっています。
これはエレベータに乗せるための計りです。必ず重さを測ってから通過します。
エレベーターをでたらトンネルを1列になって歩いて行きます。
探検っぽくてテンションが上がります。
高熱隧道
この辺りは高温の岩盤温度が70度を超えるところがあり、火傷するため工事が中断するほどだったそうです。
過酷の工事のことについて吉村昭さんの「高熱隧道」という本に詳しく書かれているそうですので読んでみたいと思います。
それ以外に雪崩で工事作業員さんの宿舎が流され70名の方が一度に命を落としたり、それは過酷な工事だったそうです。
トンネルを抜けてから15分ほどかなり急な山道を登ります。
この写真は下りですが、ツアー参加者はヘルメットを被ります。滅多にできない経験なので楽しかったです。
途中かなり急な坂道と階段で暑くて汗だくでした。
登ればこの景色!
白馬鑓ヶ岳、天狗ノ頭、奥鐘山、鹿島鑓ヶ岳など北アルプスの山々を一望できます。
この日は稜線もくっきり見えて素晴らしい景色でした。
それでも山の天気は変わりやすいのでこの後のツアーではだんだん雲がかかるだろう、ということでした。
大きな鉄塔があり、送電線が伸びていました。
これは猿飛戦と呼べれ、黒部第3発電所で作った電気を送電しています。
北陸新幹線にも送電されています。
黒部第4ダムと第3ダムで作られた電気は関西方面に送電されています。
戦後復興の一翼を担った送電線として先人の苦労は計り知れないものですね。
元来た道を戻って来ました。欅平は川がそばにあり秘湯や展望台、人喰岩など見所も満載です。
川で遊んで足湯に浸かる親子もいっぱいで賑わっていました。
またトロッコに1時間20分乗って帰ります。
トロッコから見る眺めは素晴らしいです。
途中にはたくさんの駅があり、秘湯なども多くて観光客もいっぱいです。
美しい眺めでした。
冬の間はトロッコはお休みですが、関西電力の社員さんは冬場もここで働いていらっしゃいます。
冬場はトロッコも動きませんが、なんと人が歩けるトンネルがトロッコの横にずーっと作られています。空気が入るように四角い窓がところどころに開いていますが、あのなかを歩いても欅平まで6時間もかかるそうです。
通常は単身赴任だそうですが、土日に家族の元に戻るときなどはここを歩いて行き来するということで過酷だなと思いました。
下の写真の左側がずっとトンネルになっていて人が歩くことが出来ます。
Camera:SONYa6000
Vrio-TessarT*E 16-70m F4 ZA OSS
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